アルゼンチン・タンゴの夜





美しき破片となりて降りしきるアルゼンチン・タンゴの音に刺されり


ピアソラの弟子の奏でる黒塗りのバンドネオンに陶酔の赤


情熱のこぼるる汗を蹴りあげてタンゴを踊るをとこの愛しき


よく撓る腰のあやふさ抱かれて引き寄せられて踊りつづける


ヴァイオリン、チェロ、ピアノと旋律は火花のやうに繋がりてゆく


薔薇さへも灼き尽くすべし月の夜に高音細くふるへてをりぬ


不意に手をすべりおちたる玻璃のやうタンゴの夜は幕を引きにき



山科真白 



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