秋の眩暈
天高し 禁断詩篇をブラウスの内側に抱く秋の眩暈
亡霊の群れがしづかに秋風と手を組みたりし気配さはさは
アトラスの息に吹かれて鰯雲散らばりてゆく秋の夕なり
恋人は熾火色した月の夜に変身を終へわたしをいだく
天の川まさかカロンはゐぬゆゑにまばゆき星を踏みてゆくべし
野分あと掻き集めたる悪の華ボードレールの眼光強き
濃い霧のみづべで垂らす釣り糸は銀の鱗を擦りてゐたり
稻妻にうたれて奇し色硝子 ヨハネの首は皿に置かれる
山科真白 2005.10月
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