或るひと日





或るひと日まうおしまひにしませうと始まる本をつらつらと読む


或るひと日西洋ランチを食みてのち標本壜をバックに仕舞ふ


或るひと日鏡の部屋で観てゐしは撓る背骨とチュチュの真白さ


或るひと日梅見の園に鎮座するもののふひとり冥らせ候


或るひと日嗄声の人に渡される銀ぎつねの襟巻きショール


或るひと日赤き毛糸の転がりてアリアドネより悲しい少女


或るひと日雪舞ふ坂で三人は眼玉の落つる話で笑ふ


或るひと日豚満載のトラックを追ひ越してゆく昼のハンドル



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Tanka  Mashiro Yamashina

2003 March