2002.AUG.6th*by Mashiro



星の降る島にゆく夢銀色の雨が今夜は降りやまざれど

獅子の座の尾までたどりつくことも倦怠(けたい)を帯びる指の先をも

天球儀 線でつながりあふ星のえにしのごとく黄昏てゐる

惑星が五つ並ぶといふ夕べ底浅き世に浮かぶ蝶々

千の夜の千の話を持つ女きらきら光る秘密をめぐる

透けてゐる魚のやうにしなやかにくびれてゆきぬ月光の下

星座とは揺らぐことなき銀の夢遠く別れし人の声する

掬ふものちひさくちひさくなりすぎて指のすきまを零れてゆきぬ

粗挽きの胡椒のごとき種あらば土にぱらぱら蒔いてみませよ

ぷつぷつと煮えるはずなき初夏の睡蓮鉢にあぶくがたちぬ

休日の朝の日課は花を剪る白いスカート巻きつけたまま

さくら花散りて幾夜か過ぎたれば死体は骨になりてゆくらし

ぽつねんと昼の路上に落ちてゐる鍵を拾つてよいのでせうか




(c) 山科真白  (Mashiro Yamashina)



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