冬の夜はくらがりに浮くうつしみのをんなの肌をゑがく夢みし



   縺れたる指のあはひや 黒髮のをんな絵師にはなれなきものを



  老梅といふ名の枯淡の練り香を貰ひて来しはをととひの宵



約束の雪舞ふ橋を渡るなら首にうさぎの毛皮巻きませ



こゑとこゑ繋がりてゐる目にみえぬけふもこゑのみ繋がるゆゑに



物の怪にまこと今宵は逢ひたしと言へば笑まふか真夜の黒猫



さまよふはひとの心よ きんいろのうはべ飾りはさびしかるらむ



その襖そろりそろりと開けたれば睦月如月白鷺の見ゆ



画材屋を廻りし冬のひと日終へ道づれの影しまふ抽斗




(c) 山科真白  (Mashiro Yamashina)

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