教皇の鸚鵡


教皇の愛したものは鸚鵡です 歓呼してゐる君の偏愛

ぎんいろのジョウロで水を与えられ発芽するらしゼノンの小指

柔らかき腿のあたりを切りわけて串に刺しゆくにはとりの肉

暗闇の奥処に咲ける白薔薇のつぼみのやうな口づけをして

まつさらな朝の光に点々とデスマスクの白い剥落

貪欲なあなたの愛を装飾する蝶々結びの黄色いリボン

恋愛のたつた二年のクロニクル。ゴブレットから溢れ出す泡

思ひ出を切り取る為に選びだす円刃刀と先刃刀と

愛なんて語らせないわ透明な思ひ出だけを紡ぐ蜉蝣

角膜とコンタクトの透き間から零れ出したる水の温みは

鎖骨には蒼き真水が満ちてきて赤き鱗の魚が泳ぐ

雑踏のなかで二人でゐる孤独。オープンカフェで組みかへる脚



(c) 山科真白  (Mashiro Yamashina)



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