教皇の愛したものは鸚鵡です。歓呼してゐる君の偏愛
ぎんいろのジョウロで水を与えられ発芽するらしゼノンの小指
柔らかき腿のあたりを切りわけて串に刺しゆく鶏の肉
暗闇の奥処に咲きし白薔薇のつぼみのやうな口づけをして
まつさらな朝の光に耀けるデスマスクの白い剥落
貪欲なあなたの愛を装飾する蝶々結びの黄色いリボン
恋愛のたつた二年のクロニクル。ゴブレットから溢れ出す泡
思ひ出を切り取る為に選びだす円刃刀と先刃刀と
愛なんて語らせないわ透明な思ひ出だけを紡ぐ蜉蝣
角膜とコンタクトの透き間から零れ出したる水の温みは
鎖骨には蒼き真水が満ちてきて赤き鱗の魚が泳ぐ
雑踏のなかで二人でゐる孤独。オープンカフェで組みかへる脚