プチット・マドレーヌ





マドレーヌを紅茶に浸す戯れや はつなつ白き記憶をめぐる


足長き犬からひそと告げられて午後の散歩は左の方へ


バレエにてシェネシェネシェネと回りつつスワンの惚れたをんなを思ふ


プルーストを真似た口髭似合はざる人と語らふオデット・ド・クレシー


天鵞絨に端を発して波及せし「カトレアをする」とふメタファーのこと


蝸牛までソナタを甘く流し込み書きかけの文破る快感


土地の名を繋げて遊ぶ円環に失はれゆく時を感じて


山科真白 2006年短歌人8月号


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