舎利堂の黒き柱に棲みつきし まひまひつぶりの殻の絵模様

マネキンが全裸のままに担がれてツリーの前を通り過ぐなり

左掌に釘を刺された痕のある客の右掌を見たくてならぬ

本当のことを話してごらんなさい神父のごとき髭持つ男

嘘書きの原稿用紙を踏みつけるマスカレードの真紅のヒール

ピアスごと耳のふくらみ舐めてゐる男の舌のぬくきうねりに

 花々と同じ速度で流れゆくオフィーリアの白き肢体は

 言葉にて今の私を描写する彫刻家のノミの置き場所

ゆるゆると消えてゆきたる雪に似てあなたの罪も消えてゆくのか

蒸したての肉まんごとき湯気立てて風呂から出て来 幼な子ふたり

鞦韆の鎖揺さぶる隻眼のタイラントから逃れる手段