夏のペルソナ






矢の刺さるセバスティアヌスに発情す少年三島の眉の漣


禁といふ字をちひさき石に彫り篆刻教室ゆふぐれに閉づ


失せ物は見つからぬまま夏銀河ざくざく星を狩る人よ生れ


怖ろしき殺人事件の起こりたるものがたり読む月の真下に


盥とは死語となりしかその縁を見たるみどりご昭和に死して


ふらここのかすかに揺れる音がしてだあれもゐない午後の公園


青草がしづかに靡く野の原にぱさりと捨てる夏のペルソナ




2004年6月27日



* return to tankapage *

** return to toppage **