さくら貝
春の海さくら色した貝殻をひとつ拾ひて帰りませうか
うすぎぬを纏ひし春の光ふるひねもす海はやはらかきかな
みづに浮くゆふべのゆめも片割れてはまひるがほのちらつく浜辺
足裏のちひさき砂を乾かせり陽にも風にも神の口笛
美しき珠を呑みこむとふ仮説言葉は死して去りてゆけども
鋭角を拒みて波が洗ひたるみづいろ硝子はみづに揺れつつ
やさしさを目立たぬやうに添へながら海はしづかにゑまひてをりぬ
2004年5月27日
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