桜の季には台北へ





やや早く春をさらひてゐる街に桜の名残を纏ひて着きぬ


赤信号を待つといへどもタクシーとバイク溢るる台北の宵


再会の友と降られる雨温く南国果実の甘さ懐し


長弓に射られて出逢ふ縁とはかなしきほどに必然を強ふ


龍山寺の祈りの人に従へば神の近きを頭を垂れめぐる


削り氷を乞ふには遅き夜にゐて印を刻した瑪瑙を吾れに


異国まで追ひかけてくる声ありてスマホは笑みにうづめられにき




山科真白 2017年短歌人発表




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