桜 夢




桜花しだれしだれてうつしよのをみなごひとり消してしまひぬ



かくれんぼ 咲き乱れたる桜木に鬼は登るか桜を食みて



桜木にかほをうづめし春風がふはりしづかに離りてゆきぬ



花びらを踏みしむ音よ 園丁の遠ざかる背に桜が吹雪く



   雅歌なれば影さへ慕ふ花鳥のすがた桜に吸はれけるかも



風揺するしだれ桜に撫でられて つひに秘密を洩らしてしまふ



すつぼりと桜の篭にはいりゆく夢と別れて春は終はりぬ



山科真白 2006.4月


* return to tankapage *

** return to toppage **