TAMAGO
-->2002.10.27-----Mashiro Yamashina






やはらかき羽ひとひらをつけたままさくらたまごは売られてゆきぬ

完璧にきみとしろみを持つ玉がいくつも保冷されてゆく秋

卵殻をぱつくりふたつに割ることを無造作に終へ朝も夕べも

黄昏の光に透ける鶏卵を見分けられずに日常は過ぐ

卵殻を器に育つ香草がひゆるひゆる伸びるぬばたまの夜よ

濡れた紙 満開の花 ソーダの気泡 脆きものらがざわめきてゐる

なにひとつ覚えられないわたくしはちひさな卵を大切に抱く

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