運命の螺子




くちなはの棲家に眠るわたくしの首にしゆるしゆる巻きつくな、夢


右左いづれをゆけどみづに逢ひ夢応の鯉魚に化身するらし


舞ひのちの祇王とサロメを思ひつつ運命(さだめ)のごとく蕪を煮てゐる


秋に入る谷間の沢に口づけて山の禁忌を君と冒さむ


  行き戻るあの世とこの世に浮く月を知りて南へ時鳥往ぬ


熟さぬが心地よきゆゑとろとろと巷も溶かす半熟カステラ


星の座を二人で繋ぐ楽しみを覚えた夜を重ねゆくなり


幽明のさかひを飛ばむ真白斑の鷹が戻りし家持の肩




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短歌人 2010年12月号