* 二人言 * chiaki & mashiro

本:『夢織り女』 ジェイン・ヨーレン (no.23)
Date: 03/03/11 00:29

真白:この本は人に貰った本で、その貰った時の様子もとても鮮明に思い出せます。

とにかく不思議な本でした。

ふつう、『夢織り女』という品のある言葉から連想するのは、白い肌に薄絹を纏ううなじの綺麗な女性とか思ってしまうのだけど、実は大寺院の石段に座って夢を1ペニーで織る盲目の老婆が、『夢織り女』であり、この話の主人公で、
目次は、その老女が織った夢の話しが1話から7話までという構成で、その話が不思議な感じに惹かれる話ばかりなんだよね。2003/03/11(Tue) 00:28


千秋:『夢織り女』は、私も想像していたのとは全然違っていました。
その夢織り女と言われる老婆が夢を織るわけですが、実際に糸を取り出して、機で織るのですよね。
どんな夢(話)かは夢織り女にも織ってみないとわからないんです。
でも多少のリクエストには答えられるような気もするんですけどね。
ひとつひとつの話が変わった話ばかりでした。
2003/03/13(Thu) 16:23


真白:その盲目の老女の一ペニーで織った夢の話ですが、
一番目の夢:ブラザー・ハート
二番目の夢:岩の男、石の男
三番目の夢:木の女房
四番目の夢:猫の花嫁
五番目の夢:死神に歌を聞かせた少年
六番目の夢:石心臓姫
七番目の夢:壷の子

千秋はどの夢の話が好き?2003/03/16(Sun) 18:22


千秋:「夢織り女」は「木の女房」が好きです。
でも好きとは言えないけど、「岩の男、石の男」がインパクトがあったなぁ。2003/03/17(Mon) 10:05


真白:『木の女房』は私も一番好きというか惹かれた一篇でした。
若い未亡人が主人公で名前はドルシラ。
若くてお金持ちの彼女にたくさんの男が言い寄りますが彼女は相手にしません。
人間の男と結婚するなら木と結婚した方がマシと白樺の木を抱いて狂態を装いますが、ある空に熟れた黄リンゴのような月が出ている夜(この表現もステキ)木に話し掛けたら、木は男の人に変身してしまいます。
それから満月の夜に白樺の木から男の人が現れ、夜明けになると消えてしまいます。
本当にドルシラは木の男を愛してしまい、彼女は身ごもってしまいます。
臨月を迎えた満月の夜、産気づき、木の男は産婆を迎えに行きましたが産婆はドルシラの元へすぐには駆けつけませんでした。
夜が明けて村人とドルシラの屋敷に着くと、ドルシラと赤子を発見します。
赤子は冬の松葉色の目と木の葉の形をした手をもっていて、木の枝が彼女たちを抱き上げ枝葉の奥へ消えて行った。というお話です。

物語も幻想的で優しくせつなく悲しい話なのですが、人間であるひとりの女が人間の男でなく木を愛してその思いが成就されるという、無垢なと言おうか、愛する対象は人間という時には俗悪な生き物ではなく自然の万物にも包まれることがあるのかもしれないと不思議な気分になりました。2003/03/18(Tue) 23:56


千秋:『木の女房』の説明ありがとう。
ドルシラが貧乏だった時は誰も手をさしのべてくれなかったのに、ひどい夫が亡くなって、金持ちになったとたんに男達が言い寄ってきます。
だから木の方がましと思うと、木が本当にドルシラの事を愛してくれるのです。おまけに妊娠までしてしまいます。ドラマティックではあるけれど、どこか悲しい物語ですね。2003/03/25(Tue) 10:50

真白:4月の頭からバタバタしていて止めてしまってごめん。

千秋の書いてくれた『岩の男、石の男』この話も悲しい話でした。主人公の石工は奥さんとの子作りを拒否して自分で石で息子を作るのだけど・・・たしかにインパクトあったね。だけど、なぜか、その結果が・・そののちの残されたふたりは幸せに暮らしたような気がしたの。2003/04/13(Sun)


千秋:『岩の男、石の男』悲しい話のような気もするけど、最後はこれから良くなりそうな話でした。石で息子を作ってしまうということがビックリしました。
石の話はもうひとつ『石心臓姫』という話もありましたね。こちらはおとぎ話らしい良い話だと思います。とても美しいお姫様が生まれるのですが石の心臓だったのです。喜びや悲しみを感じることができない姫。まわりからも石の心臓だと言われながら育ちます。王も后もなすすべもなく、悲しんでいるのですが、ひとりのキコリがお姫様を救うのです。
『夢織り女』はひとつひとつの話も味わい深いし、全体がひとつにまとまっている所も良いですね。2003/04/14(Mon)


真白:『石心臓姫』の物語はすごく良い話だったよね。彼女の石の心臓を担った彼は背中が曲がって両肩の間に石のようなコブができてしまったんだよね。彼はお姫様と結婚して国王になるけど、民から愛される国王になった。お姫様も幸せな人生を送ったんだろうな。と『夢織り女』には珍しくせつなさのないハッピイエンドの話だったなぁと感じました。
最後の物語、『壷の子』のラスト部分に夢織り女の真実?が隠されていますね。それはちょっとせつない(笑)2003/04/14(Mon) 21:41

千秋:『壺の子』ピノキオを思わせる話だと思いました。壺に描かれた子どもの絵があまりにすばらしく、絵から出てきて、壺を作った老人に語りかける「お父さん」と。でも他の人がその壺を見て「すばらしいけれど魂がない」とか「心がない」と言うのです。子どもは魂をほしがります。老人は自分が死んだら魂をあげると約束するんだよね。その約束は果たされるのだけど…。てっきりその子どもが本当の人間になるのかと思うと、そこはピノキオとは違っていてるんです。ここでまた思い出すのが「画竜点睛」という言葉です。魂が入ることでこの壺はもっとすばらしくなるんですね。逆に完璧じゃなくなることによって本物になるというような話です。2003/04/16(Wed) 15:14


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<夢織りをんな>         短歌:山科真白

夢織りのをんなを探しに行きませう 一ペニーのコインを持つて

さ迷つてゐるとは言へぬ狭い街 坂の向うに見える階段

くれなゐがぽとりぽとりと落ちてくる夕まぐれに我は居りたり

ゆふぐれの風が揺すつた花籠に誰かの夢が挿されてゐます

獏を飼ふをとこの冬の帽子さえ見つけられずに暮るる手ざはり

夢を織ることがわたしに出来たなら森のケモノの夢を織る夢

夢織りのをんなは白き本に棲む盲ひしちひさき老女なりけり




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