2002.12.14 Mashiro Yamashina memorial note


2002 KOBE ルミナリエ


1995.1.17 MEMORIAL ★ Luminarie in Kobe ★ 2002.12.12-12.25





1995年1月17日  前日、小さなお祝いごとのあった我が家はいつもより少し夜更かしをして床についた。


明け方、今までに経験したことのない揺れに覚醒した。

高層マンションの上階に住んでいたので、その揺れは一方向に揺れているのではなく、

ぐるぐると振り回されているような揺れだった。

私は、夫に子どもたちとともにぐっと引き寄せられ、

その後、すぐに私が寝ていたところへ百科事典などを入れた書棚が倒れ、

書籍や事典が落ち、そして書棚の扉の硝子がコナゴナに砕けた。

揺れはとても長く続いたように感じたが、一体何が起こっているのかさえわからなかった。

ただ、振り回されるように揺れていて、家具などが倒れる音が続いた。

私は子どもの上にかぶさるようにし、その私の上にかぶさるように夫は私たちを抱いていた。

動くことは出来なかった。

どこが安全かもわからなかった。


やっと静寂が訪れ、あたりを見渡しても、まだ、夜が明けておらず、うっすらとしか何もかも見えなかった。

子どもたちに怪我がないか確かめたが、彼らは何ごともなかったように私たちの腕に抱かれて眠っていた。

お隣さんが安否を気遣ってくれ、大声で無事を確かめ合った。

実家に電話をして無事を伝えた。しかし、両親は神戸から離れたところに暮らしているのでこの大惨事に気づいていない。

ほどなくして、愛知に住んでいる友達から電話。

彼女からの電話はとても早い時間だった。神戸で地震の第一報を聞いてすぐ電話してくれたのだと思う。

無事を伝え電話を切り、

そのあと、電話は不通になった。


しらじらと夜が明けてきて、部屋の中がうすぼんやりと見えてくる。

音で家具が倒れたのはわかっていたが、その部屋だけでも歩くことさえ困難な状況になっていた。


朝がきて、電気、ガス、水道、電話、すべて使えないことがわかった。

家のなかの家具はすべて倒れ、キッチンは食器棚から落ちた割れた食器の欠片が海のように埋め尽くしていた。


当日、電気は復旧し、ビルが倒壊し、高速道路が倒れ、火災がおきて、多くの方々が亡くなり、救助を求めていることが映像で映し出される。

人が死に、神戸が死ぬ。 大切な命と自分の街がなくなっていくのにただ、私たちは震えながら生きていた。


電話が繋がるようになったのは翌日だったのかその次の日だったのか忘れてしまった。

朝から晩まで親族、友人、知人からの電話が鳴り続けた。その電話のことを私はずっと忘れることはないだろう。


1歳の誕生日を目前にした息子が歩き始め、割れた食器を片付けようとする私のあとを追ってくる。

何日も水道が出なかった。

薬局をしている友人がミルクをわけてくれて、他の友人が水を送ってくれた。本当に有り難かった。

飲み水にはそれを使い、ほかの水は公園まで汲みに行った。

エレベーターは動かない。だけど、命が助かっただけで私たちは心から感謝していた。何段、階段を上ってもよかった。


高層マンションのバルコニーからは、長田のたくさんの家を焦がしている黒い煙が見えた。

地上から天に昇る煙を見るのは本当に辛かった。


それから、少し、時が流れ、私たちは少しずついつもの生活に戻っていった。

長田からの煙も見えなくなり、三宮では倒壊した建物の撤去作業や、神戸全域で仮設住宅の建設がはじまった。

震災から、あれは、10日くらい経ったころ、

私は長田を歩いた。今、見なければ伝えられないと感じた。

一面、焼け野原になった風景は、昔、祖母に聞いた戦争の空襲の跡を思わせた。

しかし、その焼け野原を貫くように電車が走っていた。

避難所を回り、倒壊した家の前にあった小さな墓碑に手を合わせ、ここ数日、神戸と淡路島で起こった真実に涙が止まらなかった。


あの日から、8年が経とうとしている。


うちは、一部(2割)損壊の罹災証明を発行された震災当時住んでいたそのマンションは売却し震災後に建てられた建物に移った。


三宮も元町もその他の神戸の街も芦屋も、そして長田も、街は復興、再生し、私たちは生きている。


阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂と街の復興に希望を込めてはじまった神戸ルミナリエは今年で8回目を迎える。

私は、ルミナリエは今年で4回目。

最初に行ったのは、たぶん第2回目だった思いますが、亡くなった方々を思い、あの日を思い出し、熱いものがこみ上げてくるのを止めることが出来なかった。


ルミナリエの光のイルミネーションのデザインは毎年変わり、今年のテーマは「光のぬくもり」だそうです。


観光客が増え、たくさんの人が光の下を通ります。

どうぞ、神戸にお住まいでない方も神戸の人間とともに阪神・淡路大震災の犠牲者に哀悼の意を捧げられることを祈ります。


























神戸ルミナリエ会場:神戸市中央区旧外国人居留地界隈および東遊園地