夏といふ綴り

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アイガーの壁を崩すか かき氷   真白


嬰児の一人遊びや夏座敷  栄子


寡黙なり板さん鱧の寿し握る  凛火


揚げられて蒔絵を泳ぐ小鮎かな  久仁子


手花火に恋の匂ひの極まれり  真白


八日目の蝉もいるべし鳴き止まぬ  栄子


人恋し例へば海の蛍かな  凛火


夕凪やフランスパンを横抱きに  久仁子


西日射すセーヌ河岸にむかひあふ  真白


極楽の余り風や夕涼み  栄子


白玉の少女唇尖らせり  凛火


連れ立ちて飛蝗追ひしは子か犬か  久仁子


桐一葉神の行路に落ちにけり  真白


濃紺の浴衣着て逢ふ十七夜  栄子


さりげなく安否問ひ合ふ菊の酒  凛火


水澄むやひかり一条木立抜け  久仁子


iPadを脇に抱へて花野まで  真白


竜胆の花一輪がある窓辺  栄子


甘栗や愚痴もかたみに仲が良く  凛火


花木槿ひと日を終へて落ちにけり  久仁子





2010.夏秋  山本栄子 ・ 平居久仁子 ・ 桂凛火 ・ 山科真白




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