::: 畳なづく肌のにほひを忘れかねつも :::



 約束はいつも嘘なの 畳なづく肌のにほひを忘れかねつも  初枝
 うつせみのいのちとともに沈めたる罪の林檎がぽかりと浮かぶ  真白
 あし引きの山猫軒の扉なる黄いろな文字は人喰ふしるし  初枝
 牛を食ふ鶏を食ふ豚を食ふ吾がむらぎものこころを汝が食ふ  真白
 天の原ふりさけ見てしトーキョーに今日も進化の兆しが萌(きざ)す  初枝
 赤糸を小指に結びさ丹づらふ君のゑがほを抱きしめにけり  真白
 炎天につと立ち尽くす夏草の深く泥める男らを見る  初枝
 射干玉の一夜かぎりに咲く花に吸はれゆきたる白き裸身は  真白
 玉かぎる夕べの空の茜色いちばんぼしを探してをりぬ  初枝
 あまづたふ入日の刻に占ひしさだめの種を今宵蒔くらむ  真白
枕詞
枕詞とは

主として和歌に用いられる修辞法の
ひとつ。特定の語の上にかかって
修飾、または口調を整えるのに用
いる。五音以下で慣用的な用法で
ある点に特徴がある。

:::  PHOTO    Mashiro :::


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藤田初枝×山科真白コラボレーション2010年8月