::: 七夕歌 :::



 ぬばたまの夜にかがやく琴の座の恋織る姫の長き黒髪  真白
 逢ふ逢はぬ 毟る花びらひとつずつ天の川面を流れてゆけり  初枝
 ひとすぢに川を渡りてうつしみの君に逢はむか 七夕一夜  真白
 待つ女待たする男ひととせに一度の恨み君に聞かせむ  初枝
 夢逢の幾夜を重ね七夕の君のまことにさやりゆくなり  真白
 星屑のいつそ二つになり果てて永久の逢瀬を漂ふもよし  初枝
 月読に汲んで貰ひし若変水を飲めば久遠の恋に近づく  真白
 浮舟のごとき心のかき乱れ文月六日の日記の余白  初枝
 香をきく戯れありや晴雨さへ星合香の君の手のなか  真白
 牽牛の牛車に葵飾り付け祭りを見たし叶はぬ夢か  初枝
 うつくしき片歌を詠む君とゐる天の川原に星の並びて  真白
 後朝の心通はせ約束は三百六十四日後の月  初枝
七夕歌
七夕は、中国の牽牛・織女伝説とそ
こから派生した乞巧奠などと日本の
棚機女の信仰が習合したものとさ
れる。

七夕は時代と共に変遷をみるが、
七夕行事は奈良時代から行われ、
江戸時代には民間にも広がった。
古くは『万葉集』にも七夕歌が130
首余り見られる。

::: 市中繁栄七夕祭 歌川広重 :::


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藤田初枝×山科真白コラボレーション2010年7月