短歌で旅をする(西日本編)

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沖縄
シーサーをうべなふ異人きらきらと空色の目を海に向けたり 真白
鹿児島
空と海のあはひに横たはり盛られたる砂の熱きをあぢはひてゐつ 久仁子
宮崎
高千穂は神降りませる国なれば昨日の夢も天空のゆめ 初枝
熊本
武士のをとこの気概思いつつ熊本城への坂登りゆく 栄子
大分
春風を結ひながら飛ぶてふてふが由布院郷へ吾を誘ひぬ 真白
長崎
待つものの何かは知らね漂うてあかね纏ひし軍艦島の見ゆ 久仁子
佐賀
弥生人も戦をせしか首のなき骸のありぬ吉野ケ里遺跡 初枝
福岡
主追ひ行きし飛び梅そを追ひて老松行きし大宰府思ふ 栄子
山口
秋芳洞百枚皿のみづに棲む真白き海老は光と離る 真白
島根
初夏の雨に釣鐘窓のしづもれる黒き城なり松江の城は 久仁子
広島
あの日 灼き尽くされし象徴のこゑは虚しくフクシマはあり 初枝
鳥取
砂あらし過ぎたる後に鮮やかな風紋残る鳥取砂丘 栄子
岡山
ひそやかに茂吉の食ひし白桃のしたたる蜜を思ひけるかも 真白
愛媛
緑陰に一句尖りをりいまはなき愚陀佛庵に風渡るとき 久仁子
高知
浪白く空青からむ土佐の地よ現代を救はん龍馬の待たる 初枝
徳島
阿波に来て躍る阿呆にもなり切れずひとりの夜を持て余し居る 栄子
香川
あげたてのアツアツうどんに生醤油とすだちをかけてかきこみにけり 真白
兵庫
夜の舟に乗りあふごとく足湯するビルの屋上 ポートタワー見ゆ 久仁子
大阪
海からの囁きを聴く旅に出てコスモスクエア駅は快晴 初枝
奈良
行き惑ふ魂もありしや高円の御山に大の炎は燃ゆる 初枝
滋賀
そろそろと忍者屋敷を抜け出して天津甕星としまし逢はむか 真白
京都
高瀬川沿うて上がらむ御池まで桜紅葉の誘ふままに 久仁子
和歌山
那智の海に補陀落渡海の舟はなほ穢土に背を向け彷徨うてゐるか 初枝
三重
玉砂利を踏みしめ歩む神の森おかげ詣りのこのめでたさよ 栄子

2011年   山本栄子・藤田初枝・平居久仁子・山科真白コラボレーション

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